オカリナはどこの国で生まれたって?日本?韓国??それとも・・・
『土の笛』という意味では、古くはマヤ遺跡やメソポタミヤ文明の遺跡から出土したものがありますが、今のオカリナの原型を形作ったのは『イタリア人』です。
今使われている『オカリナ』はイタリアのブードリオという小さな町で生まれました。というわけで、『オカリナ(オカリーナ)』はイタリア語です。意味は『小さなガチョウ』
んっ、ガチョウってどんなだっけ・・・????
今のオカリナの原型を作ったのはジュゼッペ・ドナーティ(1836年生まれ)というイタリア・ブードリオ市の職人さんです。
ちなみに、ドナーティと同世代の有名人はブラームス(1833年生まれ)、セザンヌ(1839年生まれ)、などの方がいます。日本では新撰組隊長!近藤勇(1835年生まれ)
とにかく、今私達が目にするオカリナの原型がここにあるということは確かなようです。
さて、本題の各国のオカリナの特徴を見てみましょう♪
まず、イタリア代表『メナーリオ』オカリナ
本当はドナーティのオカリナが紹介できれば(笑)なのですが、「ファビオ・メナーリオ(Fabio Menaglio)」というイタリアのオカリナ職人が製作したオカリナを紹介します♪
「ブドリオオカリナ合奏団」が使っているオカリナ。それがこの『メナーリオ』というオカリナです。イタリアのオカリナはまるで昔のマンガで出てくるレーザー銃のような形をしています。内容はいたってシンプル。日本のオカリナのように、半音階の穴はありません。見た目より軽く、とても明るい音色。
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日本代表『アケタオカリナ』
日本のオカリナは非常に操作性が高いといわれます。
日本のオカリナといえば、12穴式のオカリナを提唱した『アケタオカリナ』が一番有名でしょう、現在のオカリーナ界ではほとんど主流となっている12穴式、当時採用していたのはアケタのみでした。12穴式オカリーナは。半音階が容易に出せるというメリット以外にも「低音のシ・ラが出せること」というものすごいメリットがここに生まれました。
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そして日本からもう一つ!知る人ぞ知る火山久氏が製作した「火山オカリナ」。火山久氏はオカリナ製作もさることながら、日本の音楽の歴史を語る上で忘れてはいけない存在です。火山久氏はアケタオカリナの創始者、明田川孝氏に指導を受けた弟子の一人です。
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これもオカリナ?イギリス代表『デュエットオカリナ』
音域の拡張を目的とした『ダブルオカリナ』とは異なり、ハーモニーを目的にしたとてもユニークな単一吹き口の『デュエットオカリナ』です。その響は宇宙と交信しているような摩訶不思議な響です。オカリナ奏者では茨木智博氏がコンサートで使用していることでとても有名です。
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そして!隣のオカリナ大国『韓国』からプラスチックオカリナ。
お隣の『韓国』。韓国は日本以上にオカリナが盛んな国です。そして、オカリナハウスのスタッフは皆『朱蒙[チュモン]』にはまっています!そんなの関係ない?!
オカリナ奏者大沢聡氏が韓国の『Noble』というメーカーのダブルオカリナ使用していることでも有名になりましたが、韓国には質のよいオカリナを製作するメーカーがたくさんあります。下の写真は、韓国のプラスチックオカリナです。メーカーは『Zin』。日本のプラスチックオカリナには無い品質のよさです。今後、まだまだたくさんオカリナが日本に輸入されてくることでしょう。
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ちなみに、イタリア・ブードリオには市営の『オカリナ学校』があります。さすがオカリナ発祥の地ですね。同市には『オカリナ博物館』もあり、歴代のイタリアオカリナに混ざって日本のオカリナも展示されています。オカリナ好きとしては一度行ってみたいものですね。
一言でオカリナといっても、焼き方で音色や吹奏感が変化します。その際たるものが『素焼き』と『本焼き』という陶器の焼き方の違いからくる違いです。
現在のオカリナで一番多い焼き方が『素焼き』です。
『素焼き』とは800度前後の温度で焼く燃焼方法で、完全には焼き締めずに不必要な水分や不純物を燃焼させて、一度取り除きます。陶芸の世界では、素焼きで加工が容易な状態にし、その後削りや装飾及び施釉といった加工を施します。本焼きはその後です。
当店が扱っているオカリナのメーカーで言えば、アケタオカリナ・ナイトオカリナ・木村オカリナなどが該当します。
それから次は『本焼き』です。
本焼きとは、通常、ぬり薬を器面に定着させるため1000度〜1200度前後で焼くことをいいます。一度素焼きした器にオカリナの世界ではあまり使われることの無い『本焼き』ですが、陶器の世界ではもっともメジャーな燃焼方法です。皆さんがよく知っている備前焼とかと同じ製法ですね。
本焼きは、成型→乾燥→素焼き→施釉→本焼き という工程が採用されることが多く、『素焼き』のオカリナに比べれば製作時間と焼く手間が多くなります。
当店が扱っているオカリナのメーカーの中ではさくら工房オカリナ・ティアーモ黒陶モデルなどがこの『本焼き』過程を経たオカリナです。
長くなりましたが、やはり気になるのは「どちらの焼き方のオカリナが良いの?」ということですよね。
投げやりではありますが、一言で言えば『このみ』ということです
素焼きオカリナには素焼きオカリナのよさがあり、本焼きオカリナには本焼きオカリナの良いことろがあるということです。その他製作方法によってずいぶんと音は変わってきますので一概には言えないのが現状です。
なんだかんだいいましたが、「自分に合うオカリナを探す!」その一言に尽きます。オカリナの世界は、他の管楽器にはあまりなじみの無い『個人製作』楽器という選択肢があります。実はこれがオカリナの世界が面白い一つの理由です。自分に合う、たった一つのオカリナを探すたびに出てみませんか♪
オカリナは、遠い昔イタリアのブードリオで生まれました。しかし、そのオカリナは小柄な日本人には不向きなオカリナでした。特に、オカリナの穴?が大きく日本人の細い指では穴をふさぎきれないのです。
そこで、日本では日本人の体格にあったオカリナがたくさん製作されるようになりました。でも、現在日本で使用されているオカリナには製作者やメーカーによって『顕著な違い』があります。その顕著な違いがこの『トーンホール』に隠されています。
製作者・メーカー別 最低音(ラ)のトーンホール位置表
右手の人差し指で |
右手の人差し指で |
左手の中指で |
左手の薬指で |
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ティアーモオカリナ |
アケタオカリナ |
ナイトオカリナ
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カンターレ |
以上のように同じオカリナでも最低音を出すトーンホールが違います。
「どの運指が一番かんたんですか?」という質問をよく受けますが、これも個人差があり「これ」とは正直言えません。一番大切なのは、「お気に入りのオカリナの運指になれること」です♪オカリナが人間に合わすのではなく、人間がオカリナに合わすのです。オカリナを始めるときに「どの運指にするか」あまり神経質になる必要は無いでしょう。